Stirlingの近似式は、大きな数の階乗を見積もることができます。
この式は「両辺の比が1に収束する」という意味です。もっと強く、「両辺の差が0に収束する」近似式は次の通り。
ところで、階乗の定義域を実数に広げたものはガンマ関数で、
ガンマ関数の対数をとって微分するとディガンマ関数になります。
ディガンマ関数は調和級数の拡張版といったところ。nが非負整数なら、
式中のは有名なEulerの定数です。これも語りたいことはあるけれど、また別の機会に……。(たぶん
話を元に戻しまして、Stirlingの式(1)の両辺をnで微分してみます。
左辺は、
右辺は、
ディガンマ関数と対数関数が出てきました! この二つは興味深い関係がたくさんありますが、発散する速さに注目すると、
つまり同じ速さで発散します。(1を任意の実数に変えても同じ。)
下の図はディガンマ関数と対数関数のグラフです。
まとめると、Stirlingの式が示しているのは「階乗の対数(ディガンマ関数の積分)を対数関数の積分で近似できるよ!」ということになります。